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関根デッカオ's 不肖動静

筆者の頭部に、大きさなりのはたらきを見せてもらおうという試みです。

トースト賛歌

随筆

 目下の楽しみのひとつに、朝一番のトーストが挙げられる。この数年ほど、消化器系が満足に機能しておらず、粗食にならざるを得ないことに加え、だいたいにおいて帰宅が午後11時近くになる事情も手伝って、豪勢な晩餐がかなわない。それゆえ、朝食に光明を見出すのは、ごくごく自然のなりゆきなのである。

 

 トーストに用いる食パンは、業務スーパーに求める。5枚切りである。いわゆるプライベートブランドのもので、税抜き68円くらいだったかしら。一度に半月ぶんほどを購入し、即座に冷凍する。グレードの高低は問題ではない。高価なものには、それなりのよろしさがあるのだろうけれど、起床間もない時間に食したところで、そのよさを存分に感じ取ることはできないから。そのような次第で、ドンクなり、進々堂なりを訪ねて、気の利いた食パンを買うことはないのである。

 

 コチコチになったそれは、バター、否、マーガリンを塗る際にもストレスがない。言い忘れていたけれど、僕はマーガリン先塗り派だ。その方が油脂が浸透し、香りが立つように思われるから。

 

 少々性能が落ちたオーブントースターで、4、5分をかけて焼き上げられたトーストは、なんとも美しい。そして、おいしい。当然、食べ進めればなくなるものなのだけれど、そのことが実に惜しい。できることならば、畳10畳ぶんほどを一度に食してみたいものだけれど、現実的な話ではない。何より胃腸がそれを許してくれない。ここのところの切なさに魅せられている部分が、多少なりともあるのかもしれない。

 

 トーストを完食し、入浴する。続けざまに歯を磨き、髪を乾かし、タバコなど吸う。にわかによたつきつつ駅へと向かう道すがら、来るべき昼食に想いを馳せる。これが毎朝のルーティーンなのである。