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関根デッカオ's 不肖動静

筆者の頭部に、大きさなりのはたらきを見せてもらおうという試みです。

砂時計とのお付き合い

随筆

 ここ数年の話だと思うけれど、朝に目が覚めて、自分がいったい何者であるかというような情報を読み込むことに、僕は関根であるという事実を理解するまでに、時間を要するようになった気がする。たとえるならば、実家に初めてやってきた、Windows Meを搭載したパソコンの動作を思わせるほどである。僕自身、些細なことをさも大層なことであるかのように語ることが多いというのは、承知している。が、実際にそう感じられてしまう以上、どうしようもないのである。

 

 以前に比べて、酒量が増えたからだろうか。あるいは夢がヘヴィになったのだろうか。あちらではしみったれた自分以外の、もっと晴れ晴れとした役柄を演じているばかりに、そのあおりを食っているということか。何ぶん、眠っている間のことだから、話は憶測の域を出ない。かといって、ほかに思い当たるフシもない。ろくすっぽ事態を飲み込めぬままに、頭のかたわらで砂時計のアイコンが空転するようになってしまったのだ。

 

 幸いなことに、現時点においては実生活に大きな障害が生じたことはないが、いつそうなるやも分からない。漠然とした不安感は日中、その他諸々のなすべきことにより、うやむやにされてはいくものの、決して消し飛ぶような性質のものでもない。どうにも相性がよろしくないと思われるベッドに横たわり、質の優れない睡眠を経れば、また同じような朝がやってくる。僕にとっての日常というのは、そのことの繰り返しにすぎないのである。

 

 明日もきっと、普段と変わらぬ朝を迎えるのであろう。これといった策を講じられないわけだから、甘んじて受け入れるよりほかない。もし可能であるならば、メモリを増設してみたい。