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関根デッカオ's 不肖動静

筆者の頭部に、大きさなりのはたらきを見せてもらおうという試みです。

車内大股開き衆に関する建言

随筆 文句

 電車通勤の身になって、感じることがある。導入から間もない車両のロングシートというのは、往々にして仕切りが設けられていて、定員での着席を促しているのだなということである。つまるところ、本当の意味でのロングシートではないわけだ。結構なことでありますね。ええ、大いに結構です。褒めてあげる。

 

 ただ、いつの世も良し悪しは別にして、時代の潮流に抗う者は出てくるものである。旧来であれば、7人掛けだったロングシートを仕切れば、事実上の2人掛けが2組、3人掛けが1組できあがるわけだけれど、その2人掛けシートの1.4人分をほど我がものとするような輩も、当然に出現するのだ。古き良きロングシートにも起こりうる問題のように思われるが、2、3人単位が腰をすえるスペースにおいては、無機物たる仕切り板と接していない方向への注意は、より強くはたらいてしまうものである。こういうのを人情と呼ぶのではないかしら。

 

 僕はつい先ほど、まさに0.6人分のスペースに押し込められていた。理由は簡単だ。横に陣取るおっさんが、豊満な体躯のおっさんが、大股開きでドカンと座っていたためである。これで同じ運賃を支払わねばならないのだから、たまらない。およそ納得がいかない。ふざけている。

 

 開かれた股の角度は、ほぼ直角に近かったように思う。少なく見積もっても、86度はあったと思う。いったい何のいわれがあって、ああも股を開く必要があるというのか。少しでも陰部を危険にさらしたいとでもお思いなのか。あるいは股関節のストレッチでもしているのか。横目でチラチラと確認する限り、そのようには見受けられなかったが、案外そうなのかもしれない。いや、断じてそんなことはない。なぜ、僕風情がしおらしくも両膝を密着させねばならないのか。得心のいく答えは導き出せない。

 

 思えば昨今、鉄道やそれにまつわる諸施設について、規制が厳しくなってきた。女性専用車両しかり、ホーム末端の喫煙所の駆逐しかりであるが、次なる規制の一手は野郎衆の股に向けられるべきではあるまいか。鉄道各社には、声を大にして申し入れたい。大股開きの角度制限を設けよと。ロングシート細切れ時代のいまこそ、手を打つべきときであると。具体的には30度くらいでいかが。強硬策を取るならば、いっそホットサンドメーカーのごとき器具を座席に仕込んではどうだろう。

 

 相応の権限をお持ちのみなさん、どうかご検討いただけませんか。